文字起こしとは?意味・種類(素起こし・ケバ取り・整文)と例

文字起こしとは何か、意味と例をわかりやすく解説。素起こし・ケバ取り・整文の違い、翻訳や字幕との違い、現在の文字起こしの方法まで紹介します。

音声の波形がページ上の文章の行へと変わっていく様子

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文字起こしとは、話された言葉や録音された言葉を、話されたときと同じ言語のまま文字にすることです。インタビュー、会議の録音、音声メッセージをテキストの文書にする作業が文字起こしで、できあがった文書はトランスクリプト(文字起こし原稿)と呼ばれます。この記事では、言葉のさまざまな意味、文字起こしの主な種類、翻訳や字幕との違い、そして現在の文字起こしの方法を解説します。

日常的な意味での「文字起こし」

「文字起こし」は、音声を聞いて文字に「起こす」ことから来た言葉です。かつてはカセットテープの録音を書き起こすことが多かったため、今でも「テープ起こし」と呼ばれることがあり、裁判や議会の分野では「反訳」という言葉も使われます。英語の「transcribe」はラテン語の transcribere(「書き写す」)に由来し、少し広い意味を持っています。

  • 話し言葉を書き取る。 現在最も一般的な意味で、音声を聞いてテキストを作ることです。「議事録用に通話を文字起こししてもらえますか?」
  • 文章を別の形に書き写す。 昔は写字生が写本を手で書き写していました。現在でも、古文書や手書きの記録をデジタルのテキストに起こす作業は「翻刻」や「書き起こし」と呼ばれます。
  • 文字体系の変換。 言語学者は発音を国際音声記号(IPA)で書き表し、人名を別の文字体系に移すこともあります(日本語でいうローマ字表記やカタカナ表記)。
  • 音楽の採譜。 録音で聞いたメロディーを楽譜に書き起こしたり、曲を別の楽器用に編曲したりすることも、英語ではtranscribeと言います。

どの意味にも共通しているのは、内容はそのままで形だけが変わる、という考え方です。

音声・動画の文字起こし

ビジネス、研究、メディアの分野で文字起こしと言えば、ほぼ例外なく音声や動画をテキストにすることを指します。元になるのは話し声が入ったものなら何でも構いません。ポッドキャスト、講義、裁判の審理、医師の口述、YouTube動画、LINEやWhatsAppの音声メッセージなどです。成果物はトランスクリプトで、多くの場合タイムスタンプ(各文が話された時刻)と話者ラベル(誰が話したか)が付きます。

生物学についても一言。理科の授業でこの言葉(英語のtranscription)に出会った方もいるでしょう。生物学ではtranscriptionは転写と訳され、細胞がDNAの一部をRNAに写し取る過程、つまりタンパク質合成の最初の段階を指します。遺伝情報に同じ「書き写す」という考え方を当てはめたものですが、別の話題です。詳しくは生物学の教科書や、米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)の用語集などを参照してください。この記事で扱うのは話し言葉の文字起こしです。

文字起こしの種類:素起こし・ケバ取り・整文

文字起こしの原稿は、どれも同じ内容を書き取るわけではありません。自分で文字起こしする前、あるいは人に依頼する前に、どのスタイルが必要か決めておきましょう。日本の文字起こし業界では、主に次の3つに分けられます。

素起こし(逐語起こし)。 話されたとおりに、すべての言葉と音を書き取ります。「えー」「あの」、言い直し、繰り返し、どもり、笑い、間、割り込みまで含みます。法的な手続き、取り調べ、言語学の研究、一部の質的研究など、「どう言ったか」が重要な場面で使われます。英語のverbatim(true verbatim)に当たります。

ケバ取り。 話者の言葉はそのままに、「えー」「あのー」といったつなぎ言葉(ケバ)、どもり、言い直しを取り除き、意味が明らかな範囲で軽く文法を整えます。自然に読めて内容にも忠実なため、ほとんどのインタビュー、会議、ポッドキャスト、取材での標準です。英語のclean verbatimに当たります。

整文。 内容を読みやすい文章に整えます。文の構成を組み替え、重複を削り、ときには要約します。正確な言い回しより読みやすさが大切な記事、ブログ、報告書、公開用のQ&Aなどで使われます。

選び方の目安は次のとおりです。

  • ためらい、口調、正確な言い回しを分析する人がいるか? → 素起こし
  • 何が話されたかを理解するために読まれるか? → ケバ取り
  • 完成した文章として公開するか? → まずケバ取りで起こし、それから整文

研究や取材でのこうした選択については、間や聞き取れない箇所の表記方法も含めてインタビュー文字起こしガイドで詳しく解説しています。

文字起こし・翻訳・字幕・音声入力の違い

この4つの用語はよく混同されます。違いは、何を入力し、何が出力され、言語が変わるかどうかにあります。

入力出力言語は変わる?主な用途
文字起こし録音またはライブの話し声テキスト文書(トランスクリプト)変わらないインタビュー、会議、講義、研究
翻訳言語Aのテキストまたは音声言語Bのテキストまたは音声変わる文書、海外向けの字幕
字幕動画内の話し声画面に表示されるタイミング付きテキスト(SRT、VTT)変わらない(翻訳字幕は除く)アクセシビリティ、SNS動画、オンライン講座
音声入力(ディクテーション)自分のリアルタイムの声話しながら入力されるテキスト変わらない音声でのメッセージ、メール、メモの作成

実際にはこれらは重なり合っています。字幕は、文字起こしをタイミングごとに区切ったものです。翻訳字幕は、通常まず文字起こしをしてからそれを翻訳して作ります。音声入力は、入力されることを本人が分かっている1人の話者をリアルタイムで文字起こしするものと言えます。

現在の文字起こしの方法

長い間、文字起こしは手作業でした。人が聞き、止め、巻き戻し、入力するという作業です。裁判記録、医療記録、聞き取りにくい音声などでは、今もプロの文字起こし担当者がフットペダルで再生を操作しながらこの作業をしています。正確ですが時間がかかり、1時間の音声に数時間かかることもあります。

現在では、ほとんどの文字起こしが自動音声認識から始まります。モデルが音声を短いフレームに分け、音と単語を認識し、言語的な文脈から最もありそうな文を選び、句読点、タイムスタンプ、話者ラベルを付けます。仕組みを順を追って知りたい方は、数式を使わずに説明した音声認識(音声のテキスト化)の仕組みの解説をご覧ください。

現代の一般的な流れはハイブリッドです。機械が数分で下書きを作り、人が音声と照らし合わせて確認し、人名、数字、専門用語を直します。明瞭な録音なら軽い修正で済みますが、雑音の多いグループ通話ではもっと手直しが必要です。

文字起こしが使われる場面

文字起こしは、話された内容を検索・引用・閲覧・保存したいときに役立ちます。

  • インタビュー: 報道、ユーザーリサーチ、学術研究で、正確な引用やテーマのコーディングが必要なとき。
  • 会議: 議事録、アクションアイテム、欠席者向けの記録を作るとき。
  • 講義やウェビナー: 学習ノートやアクセシビリティのため。
  • ポッドキャストや動画: 概要欄、字幕、検索での見つけやすさのため。
  • 法務: 証言録取、審理、証拠のため。通常は厳密な素起こしで行います。
  • 医療: 医師が口述したメモをカルテに起こすとき。通常は厳しいデータ保護ルールの下で行われ、日本では個人情報保護法(APPI)、EUではGDPRなどが関わります。
  • 個人: 聞き直すより読みたい音声メモ、音声メッセージ、通話の録音。

ファイルを3ステップで文字起こしする方法

録音があってテキストが欲しいなら、いちばん早いのは自動ツールです。Audiotextaでは次のように使えます。

  1. アップロード。 Audiotextaのアプリを開き、パソコンやスマートフォンから音声・動画ファイル(MP3、M4A、WAV、MP4など)をドロップします。
  2. 設定を選ぶ。 話されている言語を設定するか自動検出のままにし、複数の人が話す場合は話者ラベルをオンにします。
  3. 確認して書き出す。 音声を再生しながら文字起こしを読み、モデルが聞き間違えた箇所を直してから、TXTや字幕形式(SRT、VTT)で書き出します。DOCXやPDFでの書き出しはProプランで使えます。

ほかの選択肢も知っておくと便利です。Microsoft Wordの一部のバージョンには文字起こし(トランスクリプト)機能があり、Googleドキュメントには音声入力があります。OtterやTurboScribeは人気のオンラインサービスで、多少の設定に抵抗がなければ、オープンソースのWhisperモデルを自分のパソコンで無料で動かすこともできます。無料・有料の方法をより詳しく比較したい方は、音声をテキストに文字起こしする方法のガイドをご覧ください。

どのツールを使っても、定義は変わりません。文字起こしは言葉と言語をそのままに、形だけを音から読める・検索できる・共有できるテキストへと変えるものです。

よくある質問

文字起こしとは簡単に言うと何ですか?

話された言葉や録音された言葉を、同じ言語のまま文字にすることです。録音したインタビューをテキストの文書にするのが文字起こしです。

文字起こしと翻訳は同じですか?

違います。文字起こしは元の言語のまま音声を文字に変え、翻訳は言語を変えます。両方を行う場合は、まず文字起こしをしてから、その文字起こしを翻訳するのが一般的です。

文字起こしとトランスクリプトの違いは何ですか?

文字起こしは音声を文字にする作業そのものを指し、トランスクリプトはその結果としてできた文書を指すことが多い言葉です。日本語では、作業と完成したテキストのどちらも「文字起こし」と呼ぶことがよくあります。

1時間の音声を文字起こしするのにどれくらいかかりますか?

手作業では、経験のある人でも明瞭な音声1時間に数時間かかることが多く、雑音が多い録音や話者が多い録音ではさらに長くかかります。自動文字起こしなら数分で終わり、そこに確認と修正の時間が加わります。

音声の文字起こしは無料でできますか?

できます。スマートフォンやパソコンには無料の音声入力機能があり、Audiotextaを含む多くの文字起こしサービスに短いファイル向けの無料枠があります。長い録音や頻繁な利用には、通常は有料プランが必要です。

Audiotexta を無料で試す

ファイルをアップロードするかリンクを貼り付けるだけで、数分で文字起こしが完成します。

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